タキシードなど礼服は何故黒なのか
2015/10/24
礼服=黒となったのはつい200年ほど前の話
実は礼服(フォーマル)の着こなしスタイルが白と黒の現代の形になったのは19世紀に入ってからなのです。それまでは多くの貴族達が赤のベルベットのガウンや派手な柄のデザインのような衣装を着用し、男性陣も女性に負けじと劣らず彩り華やかな衣装を身にまとっていたそうです。
何故黒になったのか?
実はこれには諸説あります。歴史関係でいうと以下の様な説があります。
・産業革命説:蒸気機関を始めとする多くの機械の発明され、黒い生地が大量に廉価で供給される様になったから。
・フランス革命説:王制派の人々が、こぞって黒い服を着ていたから。
・ナポレオン説:王制復古を果たし皇帝になったナポレオンが、階級別・職業別の礼装を復活させて、知識人の礼服を黒と定めたから。
・ヴィクトリア女王説:公の地位についていない人々の礼服を黒にすると定めたから。
・マリーアントワネット説:お洒落好きで目立ちたがりのマリー・アントワネットが、侍従、侍女達に黒い服を着せたから(その前に立てば華やかなドレスが際立って見えたから)
マリー・アントワネット説が的を得ている
黒というとお葬式のイメージですが、それよりも早く社交場でデビューした燕尾服やタキシード。確かに黒のタキシードなら、どんな色のドレスにも合いますし、女性を美しく見せることができます。パーティーでの華はいつの時代ももちろん女性でした。晴れ舞台に華やかなドレスを着た女性たちを引き立てるために、男性は白黒のみの着こなしにしよう、というのは的を得ていますよね。
女性を引き立てる色は黒だった
洋服で地位の違いを表すのではなく、統一された洋服のルールで競い合うことを前提に黒に統一されたという説もあります。皆が同じタキシードを着て、同じような装いであれば後は女性をリード出来るのはマナーがあり、内面的にも整った男性であるといえます。洋服のデザインは同じだからこそ、素材や仕立ての違いが如実に現れるのも事実です。
当時の女性はそういった細かい部分を見て男性を品定めしていたのかもしれませんね。
もちろん当時だけではなく、現在でも女性のほうが素材やカッティングの美しさには敏感です。是非結婚式でタキシードを着るのであれば最上級のものをオーダーしてみてください。