タキシードの歴史
2015/10/25
目次
タキシードの歴史と由来を知ろう
結婚式が決まってタキシードを着るなら、まずはタキシードの歴史を知ることからはじめましょう。そうすれば自分の衣装を選ぶ際にもきっと選びやすくなります。
タキシードの元祖「くつろぎの服」スモーキングジャケット
1870年代の初頭にヨーロッパにはスモーキング・ジャケットと呼ばれる衣装が流行しました。これは、丈の長い燕尾服の裾をカットしたジャケットです。
襟(えり)は幅広のショール・カラーと呼ばれるヘチマ型のデザイン、袖口は折り返しのデザインで、共にキルティングの拝絹(はいけん)と呼ばれるシルク素材を施したものです。
元々はこの衣装は英国の紳士たちが部屋の中で煙草を吸い、くつろぐ時に着るための衣装として作られました。やがて、賭博場(カジノ)において、上流階級の人々の間でも着られるようになって、「ラ・スモーキング(喫煙のための服)」と言う名で愛され、認知されるようになっていきました。
これがタキシードの歴史の始まりです。
オシャレの代名詞 エドワード7世が世間に広める
英国皇太子であるエドワード7世は「スモーキングジャケット」を大変気に入り、イギリス南部の高級リゾート地である「ワイド島カウズ」に持ち込みました。
カウズの名にちなんで、「カウズ・ジャケット」とも言われるようになり、その後、夜間の準礼服(現在では正礼服)として、認められるようになりました。
「カウズ・ジャケット」は、燕尾服ほども堅苦しくないため、気軽に着用できることから、リゾート地でのディナーのための衣装として、一世を風靡したのです。
アメリカのニューヨークにあるタキシード地方から発祥?
1886年にアメリカ・ニューヨーク州のオレンジ・カウンティにある「タキシード・パーク」(地名)で、第1回「タキシード・クラブ」が開催されました。
「タキシード・クラブ」というのは、アメリカのタバコ王として知られていた「ピエール・ロリラード4世」が主催する、上流階級のための夜の社交会のことです。
第1回開催の際に、息子のグリズウォールド・ロリラード氏は、燕尾服の裾をバッサリと切り落とした真っ赤なジャケットに、側章付きの黒いパンツを合わせた姿で登場しました。
この大胆に裾口をカットした斬新なスタイルが話題となり、これが1890年代ニューヨークを中心に大流行しました。
タキシードと呼ばれるようになった由来は?
一つはヨーロッパ、もう一つはアメリカと経緯そして、呼称も様々だったタキシードの歴史と由来。では、現在の呼称である“タキシード”になったのは、いつの時代なのでしょうか?
“タキシード”と言う名称は、タキシードの原型が流行したアメリカのタキシード・パークにちなんだものと言われています。
タキシードの地域による異なる襟(えり)のデザイン
タキシードには、「ショール・カラー(へちま襟)」と「ピークド・ラペル(剣襟)」の2つのデザインがありますが、地域によりタイプが分かれます。
アメリカでは「ショール・カラー」が多く着られています。
一方、イギリスやヨーロッパでは、公式の燕尾服に準ずるウェアとしての歴史から、タキシードが着られていました。
本来、タキシードは燕尾服を原型としているため、燕尾服の「ピークド・ラペル」にならっているというのがその理由です。
タキシードの歴史を学び、自分の本気の一張羅を是非仕立ててみてはいかがでしょうか?